2004年7月27日、南九州へ帰省したついでに友人と釣りの約束をした。

 梅雨明けの蒸し暑いこの時期、南九州でフライフィッシングをするなら川より海が楽しそうだ。
僕は以前から「思い描いていた」釣りがあった。決してオフショアで綱引きをするのではなく、ショアからのメッキ(南九州ではエバという)釣り。
気の知れた友人と、サンダルでウェーディングし、7番ロッドにポッパーで釣りたいと思っていた。何時でも出来そうだが、この歳になるとお互いの仕事や家庭事情などがあり、また遠く離れていてなかなか叶わなかった。しかも釣果が伴うとなれば毎年チャンスがあるわけでもない。
今回は初めから「思い描いていた」形にしたくて、7番ロッドとサンダルをわざわざ新調した。


場所は基本的に太平洋に面した河口。
できれば水が綺麗で気軽にウェーディングできて、南国っぽくて、人がいなくて・・・。欲を言えばきりが無いが、それでも思い当たるところで釣りをすることにした。

朝一番、海から昇る陽を見ながら入った場所では、手のひらに収まるぐらいのエバが釣れたが、少々期待はずれ。
日も昇り他の場所を探すことにした。
ビーチや漁港、磯場などを見て回るがパッとしない。
しかし、見渡せば道端にはハイビスカスが花咲き、バナナが自生している所もある。決してリゾート地ではないが、本来ある南九州の雰囲気がとても心地よかった。

 昼はいつも行く美味しいラーメンを友人と食し、気を取り直して次の場所へ。そこは河口から500mぐらい溯った場所で水も汚れてはおらず、膝ぐらい立ちこむ場所だ。
人は誰もいない。
日差しは真上にあり、かなり暑くなってきた。
早速ラインを引き出し、小型のエバ用ポッパー?をキャストする。
真新しい7番ロッドは気持ちよくポッパーを狙ったところへ運んでくれた。岸際で手のひらほどのメッキを楽しんでいたとき、沖目にキャストしていた友人に今までとは違う魚が掛かった。が、外れてしまった。

 今の魚を見たい一心でキャストとリトリーブをひたすら繰り返す・・・。
「ゴポッ」
ひったくるように、なにかが吸い込んだ。
ロッドが締めこまれる。
手元に手繰ったラインがすべて引き出されリールファイトになる。
7番ロッドをバットから曲げたのは30cmほどのエバだった。
九州では当たり前に思えるサイズだが、実際にはなかなか釣れない。それから夕暮れにかけて釣果は昇り調子になり、最大35cmのエバを手にできた。

最高の釣りだった。


このあと不運にも参加できなかったもう一人の釣友と地鶏屋に向かった。
芋焼酎と地鶏のタタキに舌鼓を打ちながら、魚の歯で傷だらけになった手を見せ「思い描いていた」釣りの一日を自慢しまくった。

Top Page l このPage Top